老犬と防災|歩けない子を連れて避難するための準備
地震の揺れがおさまったあと、最初に目がいくのは、足元で眠っている愛犬かもしれません。
抱き上げれば重い。呼んでも、もう自分では立ち上がれない。
「この子を連れて、どうやって逃げればいいんだろう」——そう考えて手が止まってしまう方は、少なくありません。
この記事では、まだ何も起きていない今日のうちに整えておける準備を、順番にお伝えします。
この記事でわかること
老犬の避難が若い犬とちがう点と、先に決めておきたいこと
歩けない子・立てない子を運ぶための具体的な方法(サイズ別の考え方)
老犬向けの備蓄リストと、置き場所の決め方
どこにも書かれていない「わが子の一枚シート」の作り方
避難所に行く以外の選択肢と、北九州の坂道・住宅事情で気をつけたいこと
老犬の避難が、若い犬とちがう理由
若い犬なら、リードをつけて走れば一緒に出られます。けれど老犬の場合、その前提が崩れていることがあります。
老犬の避難でつまずきやすいのは「移動」「体調」「環境の変化」の3つです。
後ろ足に力が入らず、階段や段差を自力で下りられない
抱き上げると痛がる、または体が硬くて抱え方が限られる
心臓や呼吸器に持病があり、興奮や暑さが負担になりやすい
薬を飲んでいて、数日分でも切らせたくない
耳や目が遠くなり、呼びかけや誘導が届きにくい
場所が変わると、飲まない・食べない・眠れないことがある
どれも「今の状態」で変わります。まずは、今日のこの子ならどこでつまずくのかを、頭の中ではなく紙に書き出すところから始めてみてください。
最初に決めておきたい3つのこと
備蓄品を買うより先に、決めておくと動きが変わるものがあります。
誰が運ぶのかを決める
ご家族が複数いる場合、「誰が犬を担当するか」をあらかじめ決めておきます。
ひとり暮らしの場合や、ご自身も足腰に不安がある場合は、ご近所やご家族に「うちには歩けない犬がいます」と先に伝えておくことが、いちばん現実的な備えになります。
どこへ向かうのかを決める
避難所のペットの受け入れ方は、場所ごとに運用が異なります。お住まいの区の案内を、平常時のうちにご確認ください。
そのうえで、選択肢を1つに絞らないことをおすすめします。
自宅にとどまる(在宅避難)
車の中で過ごす
市外・県外のご親族や知人のお宅
指定の避難所
どうやって運ぶのかを決める
ここがいちばん後回しになりがちで、いちばん時間がかかる部分です。次の章で詳しくお伝えします。
歩けない子を運ぶ方法を、体の大きさ別に考える
「抱っこすればいい」で済むかどうかは、体重と、ご家族の体力で変わります。大事なのは、道具をそろえることではなく、実際に一度運んでみることです。
体の大きさ | 運び方の候補 | 気をつけたいこと |
超小型犬(〜4kg)・小型犬(〜10kg) | キャリーバッグ、リュック型キャリー、抱っこ紐 | 両手が空く形にしておくと、階段や瓦礫の上で安全 |
中型犬(〜20kg) | キャリーカート、大きめのバッグ、抱き上げ+補助 | 長距離は現実的でないことが多い。休む場所を想定する |
大型犬(20〜30kg)・超大型犬(30kg以上) | 担架代わりの毛布・大判タオル、介助ハーネス、キャリーカート | ひとりでは難しい前提で、二人以上の役割を決めておく |
毛布を担架として使う方法
大型犬の場合、抱き上げるより、丈夫な毛布やシーツに寝かせて二人で持ち上げるほうが、体への負担が少ないことがあります。
<!-- shippo-figure:1 -->

厚手の毛布を担架にして、二人で四隅を持ち上げて運ぶ方法です。
四隅をしっかり握れる厚手のものを選び、「これを担架に使う」と決めた1枚を、他の用途に使わずしまっておくと迷いません。
介助ハーネスを使う方法
まだ少し足を使える子なら、胴を支えるタイプの介助用ハーネスで、後ろ足の負担を減らしながら歩ける場合があります。
ただし、体に合っていないと痛みや擦れの原因になります。関節や背骨に持病がある子は、使い方についてかかりつけの獣医師にご相談ください。
一度、玄関の外まで運んでみる
避難の練習でもっとも役に立つのが、これです。
寝ている場所から玄関まで、何秒かかるか
靴を履く間、どこに置いておくか
階段やエレベーターのない通路を、どう通るか
やってみると、「思っていた方法では無理だった」と気づくことがよくあります。本番より前に気づけたなら、それは失敗ではなく準備です。
老犬のための備蓄リスト
人の防災リュックとは、中身が少し変わります。老犬の場合は「薬」「衛生」「寝床」の比重が大きくなります。
<!-- shippo-figure:2 -->

備蓄は寝室や玄関など、その子がいる場所の近くに置いておきます。
分類 | 用意しておくもの | ひとこと |
食べ物 | 普段のフード、療法食、水、いつも使う食器 | 食べ慣れないものは受けつけないことがあります |
薬・医療 | 常用薬、薬の名前を書いたメモ、お薬手帳や処方の控え | 予備の日数はかかりつけの獣医師にご相談ください |
排泄 | ペットシーツ、おむつ、おしりふき、ビニール袋 | 寝たきりの子はいつもより多めに |
寝床 | 使い慣れた毛布、体位変換用のクッション、防水シート | においが残っているものが落ち着きにつながることがあります |
移動 | キャリー、介助ハーネス、担架用の毛布 | 実際に運べるか試したものを |
情報 | 写真、鑑札や迷子札、連絡先一覧 | 後述の「一枚シート」とまとめて |
置き場所は、寝室や玄関など「その子がいる場所の近く」が基本です。 奥の押し入れにしまい込むと、慌てているときに取り出せません。
だれも教えてくれない準備:「わが子の一枚シート」
備蓄リストはよく見かけますが、これはあまり書かれていません。A4用紙1枚に、この子の情報をまとめておくというものです。
避難先で誰かに預けるとき、病院にかかるとき、そしてご自身が動けなくなったときに、この1枚が代わりに話してくれます。
名前、犬種、体重、年齢、性別、避妊去勢の有無
持病の名前と、いつから
飲んでいる薬の名前・量・時間
かかりつけの動物病院の名前と電話番号
食事の内容、回数、食べさせ方(手から、立たせて、など)
排泄の状況(自力か、介助が必要か、おむつか)
苦手なこと、触られたくない場所
顔と全身がわかる写真
コピーを3部つくって、1部は備蓄袋、1部は冷蔵庫の扉、1部はスマートフォンの写真フォルダに。紙が濡れても、スマホが使えなくても、どれかが残るようにしておきます。
災害のためだけではありません。ご家族の急な入院や、通院に別の人が付き添うときにも、同じ1枚がそのまま使えます。
「避難所へ行く」以外の選択肢と、北九州で気をつけたいこと
老犬の場合、移動そのものが体にこたえます。そのため、無理に移動しないという判断も、ひとつの選択肢になり得ます。
在宅避難を選ぶ場合
建物の安全が確認できていることが前提ですが、住み慣れた家にとどまれるなら、老犬にとっての負担は小さくなります。
そのかわり、水・電気が止まった状態を想定した準備が必要になります。
飲み水の備蓄(人の分と別に計算する)
停電時の暖房・冷房の代わり(毛布、保冷剤、うちわなど)
排泄物の処理方法とにおい対策
家具の転倒防止(犬の寝床の周りを優先して)
暑さや寒さについては「何度までなら安全」と言い切れるものではありません。一般に、老犬は体温の調節が苦手になると言われています。息づかいや姿勢の変化を見て、様子がおかしいと感じたら、早めに動物病院へご連絡ください。
北九州の地形と住宅事情で、先に確かめておきたいこと
北九州市は、門司区や八幡東区、若松区のように坂道や斜面地に住宅が広がっている地域が多くあります。
家の前から幹線道路までが下り坂、または長い階段
集合住宅で、エレベーターが止まると階段だけになる
路地が狭く、キャリーカートが通りにくい
大型犬を抱えて坂や階段を下りるのは、平常時でも簡単ではありません。「自宅から最初の平らな道まで、この子を運べるか」を、一度だけでも確かめておくと、当日の判断が早くなります。
車をお持ちの場合は、ガソリンを早めに入れておくことと、車内に毛布とペットシーツを常備しておくことも、あわせて備えになります。
ひとりで抱えなくていい、という備え
ここまで読んで、「うちは無理だ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そう感じるのは、準備が足りないからではなく、ひとりで背負うには量が多すぎるからです。
私たち合同会社しっぽは、北九州市内全域(門司区・小倉北区・小倉南区・若松区・八幡東区・八幡西区・戸畑区)で、高齢犬・シニア犬・療養犬のケアをご自宅にうかがって行っています。
シニア犬のケアには、施設にお預けする方法と、ご自宅に来てもらう方法があります。しっぽは訪問型で、住み慣れた家のまま、移動の負担をかけずにケアを受けていただけます。
平常時から、こんな形でお使いいただけます。
運び方や介助ハーネスの使い方を、その子の体に合わせて一緒に考える
「わが子の一枚シート」に書く内容を整理する
通院に付き添い、普段の様子や記録を獣医師にお伝えする(病院帯同サービス)
介護を続けてこられた飼い主様が休むための時間をつくる(レスパイトケア)
備えは、備蓄品だけではありません。頼れる先をひとつ増やしておくことも、備えのひとつだと考えています。
サービス | 内容 | 料金 |
高齢犬・シニア犬 訪問介護・介助 | 食事・排泄・歩行などの介助をご自宅で | 1時間 5,500円〜12,000円 |
療養犬・ターミナルケア 訪問介護 | 病気やケガ、手術後などの療養生活を自宅で支える | 1時間 6,500円〜15,000円 |
レスパイトケア | 介護する飼い主様が休むための時間をつくる | 1時間 6,000円〜15,000円 |
病院帯同サービス | 通院に付き添い、普段の様子や記録を獣医師に伝える | 1回 10,000円〜15,000円 |
エンゼルケア(お花代含む) | お別れのあとのお世話 | 25,000円〜50,000円 |
グリーフケア(ペットロスサポート) | ご家族の気持ちのご相談(オンライン可) | 1時間 3,500円〜 |
すべてのサービスで、まず無料カウンセリングを行っています。料金には幅があり、その子の状態やご希望にあわせてご相談のうえで決めていきます。詳しくはお問い合わせください。
24時間対応・要予約です。原則として当日のお申し込みは承っていませんが、緊急性が高いと判断した場合は、可能な限り対応しております。
よくあるご質問
避難所に犬を連れて行けるのでしょうか
ペットの受け入れの方法は、場所ごとに運用が異なります。お住まいの地域の案内を、平常時のうちにご確認ください。あわせて、在宅避難や車中、ご親族のお宅など、複数の選択肢を考えておくと安心につながります。
大型犬で、ひとりでは運べません。どうすればいいですか
まずは「ひとりでは運べない」とわかっていることが、大きな一歩です。担架として使える毛布を決めておくこと、ご近所やご家族に歩けない犬がいると伝えておくことが、現実的な備えになります。運び方については、ご自宅でその子の体を見ながら一緒に考えることもできます。
持病がある子です。薬はどのくらい備えておけばいいですか
必要な日数は、お薬の種類やその子の状態によって変わります。かかりつけの獣医師にご相談ください。あわせて、薬の名前と量を書いたメモを備蓄袋に入れておくと、かかりつけ以外の病院にかかる場面でも役に立ちます。
<!-- shippo-related -->
あわせて読みたい
年末年始に体調を崩したら|病院が休みの間の備え
花火や雷を怖がるようになったら|音に敏感になった老犬
季節の変わり目に崩れる体調|気をつけておきたい時期
小倉北区で老犬のお世話を頼むなら|訪問ケアの選び方
八幡東区で高齢犬のお世話に悩んだときの選択肢
ペットシッターとアニマルケアは何が違う?お願いする前に知っておきたいこと
ひとりで抱えなくて大丈夫です
「まだ相談するほどのことじゃないかもしれない」
「こんなことで連絡していいのかな」
そう思って、連絡をためらう方は少なくありません。
でも、こんな段階でのご相談も承っています。
夜中に何度も起きてしまい、自分の睡眠が足りていない
通院の付き添いが、体力的につらくなってきた
このまま自宅で看てあげられるのか、自信がない
何を相談すればいいのかも、まだ分からない
合同会社しっぽは、北九州市内でシニア犬・老犬・療養中のわんちゃんの訪問ケアを行っています。
ご自宅にうかがうかたちなので、住み慣れた場所のまま、移動の負担をかけずにお世話ができます。
いきなりご契約ではありません
ご依頼の前に、まず無料のカウンセリングを行います。
いまの様子とご家族のご希望をうかがったうえで、その子に合ったケアをご提案します。
「話を聞いてみるだけ」で構いません。
ご相談いただけること | 内容 |
訪問介護・介助 | 食事・排泄・歩行などの介助を、ご自宅で |
訪問ホスピス・ターミナルケア | 療養中・看取り期の穏やかな時間を支えます |
レスパイトケア | 介護するご家族が休むための時間をつくります |
病院帯同 | 通院に付き添い、普段の様子を獣医師にお伝えします |
エンゼルケア/グリーフケア | お別れのあとのお世話と、ご家族のお気持ちのご相談 |
ご相談・ご予約
📞 093-982-0919(ご予約受付 8:00〜21:00)
💬 [LINEで相談する](https://line.me/R/ti/p/%40055sflba)
※「夜鳴きがひどくて…」の一言からで大丈夫です
✉️ [お問い合わせフォームはこちら](https://www.shippo21.com/)
※外出が多いため、メールでのお問い合わせをおすすめしております
対応エリア:北九州市内全域(門司区・小倉北区・小倉南区・若松区・八幡東区・八幡西区・戸畑区)
24時間対応・要予約 ※原則として当日のお申し込みは承っておりませんが、緊急性が高いと判断した場合は可能な限り対応しております
動物取扱業登録済(第16014号)/愛玩動物救命士・愛玩動物看護師・愛玩動物介護士が対応します
ひとりじゃないよ。頑張らなくていいよ。
まずは、しっぽに声を届けてください。




コメント