老犬の床ずれを防ぐ|寝床の作り方と体位変換の基本
更新日:10月19日
「最近、寝ている時間が増えた愛犬の体に赤みが出てきた気がする」——そんな変化に気づいて、床ずれ(褥瘡)ではないかと心配になっていませんか。この記事では、老犬に床ずれが起きやすい理由と、ご自宅でできる寝床の整え方、体位変換の基本について、無理なく続けられる方法を紹介します。
老犬に床ずれが起きやすい理由
床ずれは、体の一部が床や寝具に長時間押しつけられることで、皮膚やその下の組織への血の巡りが悪くなり、皮膚が傷んでしまう状態です。若く元気な犬であれば、寝ている間も無意識に姿勢を変えるため起こりにくいのですが、高齢になると次のような変化が重なり、リスクが高まりやすくなります。
筋肉や脂肪が減り、骨が皮膚から浮き出やすくなる
自力で寝返りを打つ体力や意欲が落ちる
関節や神経の衰えで、思うように体を動かせなくなる
寝ている時間そのものが長くなる
特に、足腰の力が弱くなって歩行が難しくなった子や、寝たきりに近い状態の子は注意が必要です。ただし「うちの子は大丈夫」と過信せず、少しの変化にも気を配っていただくことが、早めの対応につながります。
床ずれができやすい場所
体重がかかりやすく、骨が突き出している部分は特に床ずれができやすい場所です。日々のケアの際に、次の部位を意識して確認してみてください。

骨が突き出て床に当たりやすく、床ずれができやすい部位を示した図。
できやすい部位 | 理由 |
肩(肩甲骨のあたり) | 横向きで寝る時間が長いと圧がかかりやすい |
腰・骨盤のあたり | 骨が出っ張っており、体重を支えやすい |
ひじ・かかと | 床に接する時間が長く、皮膚が薄い |
あご・頬 | うつぶせで顔を床につけて休む姿勢が多い子に見られる |
赤み、脱毛、皮膚が硬くなっている、といった変化に気づいたら、悪化する前にかかりつけの獣医師にご相談ください。
予防の基本:寝床の作り方
床ずれを防ぐうえで、寝床の環境を整えることはとても大切な土台になります。特別な道具がなくても、次のような工夫で負担を減らせる場合があります。

体圧を分散し、滑りや蒸れを防ぐために整えた寝床まわりの工夫の図。
体圧を分散できる寝具を選ぶ:低反発素材やペット用のクッション性の高いマットは、体の一点に圧力が集中しにくくなります
こまめに寝具を整える:シワやヨレがあると、そこに圧がかかり皮膚を傷つけやすくなります
床ずれができやすい部位の下に隙間を作る:ドーナツ状のクッションなどで骨の突出部を浮かせる工夫も一つの方法です
通気性と保温性のバランスを考える:蒸れは皮膚のトラブルにつながりやすく、逆に冷えすぎも体への負担になります
排泄物で寝床が汚れたらすぐに交換する:湿った状態が続くと皮膚がふやけやすくなります
北九州市内は住宅事情によって室内の段差や畳・フローリングなど床材もさまざまです。滑りやすい床は踏ん張りがきかず、かえって体への負担が増えることもあるため、寝床の周辺に滑り止めマットを敷くといった工夫も選択肢の一つです。
体位変換の基本
体位変換とは、犬が自分で寝返りを打てない場合に、飼い主さんが手を添えて姿勢を変えてあげることです。同じ姿勢が続くことを防ぎ、血の巡りを保つ助けになります。
基本的な進め方
首や背骨に無理な負担がかからないよう、体全体を支えながらゆっくり動かす
一気に大きく動かすのではなく、少しずつ角度を変える
動かした後は、呼吸が苦しそうにしていないか、痛がる様子がないかを確認する
声をかけながら行い、犬が驚かないようにする
体格や関節の状態によって無理のない範囲は異なりますので、やり方に不安がある場合は、かかりつけの獣医師や訪問のケアスタッフに相談しながら進める方法もあります。
体位変換の頻度の目安
頻度はあくまで一般的な目安です。犬の状態や皮膚の様子によって調整が必要になりますので、次の表を参考にしつつ、変化があればかかりつけの獣医師にご相談ください。
犬の状態 | 頻度の目安 |
自力で多少姿勢を変えられる | 数時間おきに様子を確認し、必要に応じて手助けする |
寝たきりに近い状態 | 2〜3時間おきを目安に体位を変える |
皮膚に赤みなど変化が出ている部位がある | その部位への圧を避けるよう、より頻繁に姿勢を調整する |
夜間も含めて頻繁な体位変換が必要な場合、飼い主さんお一人での対応が負担になることも少なくありません。そうした際に、ケアの一部を専門のスタッフと分担するという方法もあります。
自宅でのケアと訪問型サービスの違い
老犬の看護というと「施設にお預けする方法」を思い浮かべる方も多いかもしれません。施設でのケアには、専門スタッフが常時見守れるという利点がある一方、環境が変わることで犬にとって負担になったり、移動そのものが体力的な負担になったりすることもあります。
一方で「ご自宅に来てもらう方法」であれば、住み慣れた場所、いつもの匂いや音の中で過ごしながらケアを受けられるという特徴があります。特に高齢で足腰が弱っていたり、通院や移動そのものがストレスになりやすい犬にとっては、環境を変えずに済むことが安心材料になる場合があります。
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よくあるご質問
床ずれは一度できると治らないのでしょうか
皮膚の状態や進行の程度によって経過はさまざまです。早い段階で気づき、圧を取り除く工夫や皮膚のケアを行うことで、状態の改善につながることもあります。判断や処置については、自己判断せずかかりつけの獣医師にご相談ください。
体位変換は夜中も行う必要がありますか
犬の状態によって必要な頻度は異なります。皮膚に変化が見られやすい子や、寝たきりに近い状態の子は、夜間も含めた頻繁な体位変換が望ましい場合があります。ご家族だけで対応が難しいと感じる場合は、訪問型のケアで一部を分担する方法もあります。
寝床のクッションはどんなものを選べばよいですか
体圧を分散しやすい低反発素材や、通気性のよい素材が使われたペット用の寝具は選択肢の一つです。ただし犬の体格や好み、皮膚の状態によって合う・合わないがありますので、迷う場合はかかりつけの獣医師や訪問のケアスタッフに相談しながら選ぶ方法もあります。
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