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老犬の車椅子・歩行器|使いどきと慣らし方

7 時間前
読了時間: 12分

後ろ足がふらつく。散歩の途中で座り込んでしまう。壁づたいでないと歩けない。


そんな様子を見て、「車椅子を使ったほうがいいのだろうか」と検索された方が多いのではないでしょうか。


でも同時に、「車椅子に頼ったら、もう歩けなくなるのでは」「かわいそうに見えないだろうか」というためらいもあると思います。


この記事では、車椅子・歩行器の使いどきの見きわめ方と、無理のない慣らし方を、ご自宅でできることを中心にお伝えします。


この記事でわかること

  • 車椅子・歩行器は「歩けなくなってから」のものではない、という考え方

  • 後ろ足の弱り方から見る、使いどきのサイン

  • 車椅子と歩行器の違い、選ぶときに見るところ

  • 使い始める前に、家の中で整えておきたいこと

  • 嫌がらせずに慣らしていく、段階的な進め方


車椅子・歩行器は「歩けなくなってから」のものではない

多くの飼い主さんが、「完全に立てなくなったら車椅子」と考えておられます。ですが実際には、自分の力でまだ少し歩けるうちに使い始めたほうが、犬にとって受け入れやすいことが多いと言われています。


理由はシンプルです。前に進みたい気持ちが残っているうちのほうが、「これをつけると楽に進める」という感覚を覚えやすいからです。


すっかり立てなくなってから初めて装着すると、器具そのものが不快な拘束として感じられてしまうこともあります。


もうひとつ、見落とされがちな点があります。犬にとって「歩く」ことは、運動であると同時ににおいを嗅ぎ、外の情報を受け取る時間でもあるということです。


歩けないまま横になっている時間が長くなると、食欲や睡眠のリズムにも影響が出ることがあります。車椅子は「足の代わり」であると同時に、その子の世界を狭めないための道具でもあります。


なお、足の弱りの背景には、加齢による筋力低下だけでなく、関節や神経の病気が関わっていることもあります。器具を検討する前に、今の状態でどの程度動かしてよいのかを、かかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。


使いどきを見分ける、家庭での観察ポイント

「まだ早いのか、もう遅いのか」を判断する材料は、毎日の暮らしの中にあります。以下は、ご家庭で見ていただきやすいサインです。


  • 散歩の後半で、後ろ足が交差する・つまずく回数が増えた

  • 立ち上がるときに、数回チャレンジしてやっと立てる

  • フローリングで足が滑り、腰が沈み込む

  • 歩き出しは元気だが、途中で座り込んでしまう

  • 爪の先が削れている(後ろ足を引きずっているサイン)


とくに爪の先が斜めに削れているのは、飼い主さんが気づきにくい重要な手がかりです。足を持ち上げきれずに引きずっている可能性があります。


後ろ足の弱りによるもの

加齢で後肢の筋肉が落ちてくると、まず「立ち上がり」に時間がかかるようになります。この段階であれば、後ろ足を支えるタイプの二輪車椅子や、胴を支える歩行補助ハーネスが向くことがあります。


神経の病気によるもの

椎間板の疾患など、神経が関わる場合は、急に足が動かなくなったり、痛みを伴ったりすることがあります。この場合、動かしてよい時期かどうかの判断は獣医療の領域です。


急に立てなくなった、足を引きずる、触ると痛がるといった変化があるときは、器具の検討よりも先に受診をご検討ください。


前足にも力が入りにくいとき

後ろ足だけでなく前足もふらつく場合は、二輪ではなく四輪タイプや、体全体を支える歩行器が検討されます。首が下がってきている場合は、頭を支えるパーツの有無も見るところです。


認知症にともなう歩き方の変化

高齢になると、狭いところに入り込んで出られない、同じ方向にぐるぐる回る、といった変化が見られることがあります。この場合、筋力そのものよりも「方向感覚」の問題であることもあります。


歩行器で体を支えると、転倒や壁への激突を防ぎやすくなる一方、囲いのある安全な場所での見守りが向くこともあります。


見られる様子

背景として考えられること

家庭でまずできること

立ち上がりに時間がかかる

後肢の筋力低下

床の滑り止め、起立の介助

後ろ足が交差する・引きずる

神経や関節の問題の可能性

早めに受診し、状態を確認

歩き出せるが途中で座り込む

持久力の低下

距離を短く、回数を分ける

壁にぶつかる・同じ方向に回る

認知機能の変化

障害物を減らし、見守る


車椅子と歩行器、何が違うのか

呼び方が混ざって使われることが多いのですが、大まかには次のように整理できます。


種類

支える場所

向いている状態

二輪車椅子

後ろ足・腰

前足はしっかりしている

四輪車椅子

前足・後ろ足の両方

四肢とも力が入りにくい

歩行補助ハーネス

胴・腰を手で吊る

短距離の介助、排泄時

歩行器(サークル型)

体全体を囲って支える

自力で立つのが難しい、旋回がある


選ぶときに見ていただきたいのは、「今の状態」だけでなく「数か月後の状態」です。二輪から四輪に組み替えられるタイプもあり、進行の可能性がある場合は変更しやすいものを選ぶという考え方もあります。


採寸は、多くの場合「体高」「胸の幅」「前足から後ろ足までの長さ」などを測ります。ここで一つ、あまり書かれていないことをお伝えします。


採寸は、犬を無理に立たせた姿勢ではなく、飼い主さんが軽く支えて自然に立った姿勢で行うほうが、実際の使用感に近くなります。 頑張って踏ん張った姿勢で測ると、できあがりが高すぎることがあります。


使い始める前に、家の中を整える

車椅子を注文してから届くまでの間に、やっておくと効果が出やすいことがあります。むしろ、ここを飛ばすと器具がうまく働かないこともあります。


  • フローリングに滑り止めマットやカーペットを敷く

  • 段差にスロープを置く、または段差をなくす

  • 足裏の毛を短く整える(滑りの大きな原因になります)

  • 爪を伸ばしすぎない(指が踏ん張れなくなります)

  • 車椅子の通り道になる廊下の物をどける


とくに足裏の毛と爪は見落とされがちです。ここを整えるだけで、器具を使わなくても歩きやすくなることがあります。


北九州市内には坂の多い住宅地も多く、玄関までに階段があるお宅も少なくありません。屋外で使う場合は、「家から道路に出るまでの経路」を先に確認しておくと、実際に使い始めてから困りにくくなります。


歩道の段差、路面の傾き、車通りの多さ。同じ距離でも、ルートを変えるだけで負担が変わることがあります。


嫌がらせずに慣らしていく進め方

新しい器具を初日から長時間つけると、道具そのものを嫌いになってしまうことがあります。段階を分けて、少しずつが基本です。


下の表は一例です。犬によってペースは大きく違いますので、進まない日があっても戻ってやり直せるとお考えください。


段階

内容

目安

1

器具を部屋に置き、においを嗅がせる

数日

2

装着だけして、すぐ外す(おやつと一緒に)

1回1〜2分から

3

装着して室内で数歩進む

5分程度

4

庭や玄関前など、短い屋外へ

10分程度

5

いつもの散歩コースを短縮して

様子を見ながら


進めるときのコツをいくつか挙げます。


  • 装着したまま放置しない。 目を離す時間は外しておくほうが安全です

  • 最初の一歩が出ないときは、前から呼ぶより、横に並んで一緒に歩き出す

  • おやつや大好きなおもちゃを、進む先に置く

  • うまく進めた日で終わりにする(失敗で終えない)


もう一つ、知っておくと助かることがあります。排泄のタイミングに合わせて使うと、覚えが早いことがあります。 「出したい」という目的があると、前に進む動機がはっきりするためです。


ただし、車椅子に乗ったまま排泄する子と、外してからのほうがしやすい子がいます。どちらが合うかは、しばらく観察してみてください。


使っている間に気をつけたいこと

車椅子は便利な道具ですが、体に接する以上、こすれや圧迫が起きることがあります。使ったあとは、次の点を見てあげてください。


  • 脇の下、内股、胸元の皮膚が赤くなっていないか

  • 毛が擦れて薄くなっている場所はないか

  • 使用後に呼吸が荒いまま戻らないことはないか

  • 前足の肉球や爪に負担が出ていないか


二輪の車椅子を使うと、後ろ足が休まる分、前足にかかる負担が増えることがあります。前足のケアも合わせて見てあげると、長く使いやすくなります。


夏場は、器具のベルト部分に熱がこもりやすくなります。地面からの照り返しも受けやすいため、時間帯を選ぶ、短時間にするといった工夫が向きます。


皮膚に傷ができてしまった場合や、痛がるそぶりがあるときは、自己判断でケアを続けず、かかりつけの獣医師にご相談ください。


介助を続ける、という負担について

ここまで読んでくださった方の中には、「そこまでやる時間がない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。


車椅子への装着、短時間の付き添い、そのあとの体の確認。一つひとつは小さくても、毎日となると、決して軽い作業ではありません。夜中の排泄介助と重なれば、なおさらです。


介護している方が倒れてしまうと、犬のケアも続けられなくなります。 手を抜くことではなく、続けられる形にすることが大切だと、私たちは考えています。


合同会社しっぽは、北九州市内全域(門司区・小倉北区・小倉南区・若松区・八幡東区・八幡西区・戸畑区)で、ご自宅にうかがう訪問型のシニア犬・療養犬ケアを行っています。


施設にお預けする方法もありますが、訪問型であれば、住み慣れたお部屋のまま、移動の負担をかけずに介助を受けていただけます。足腰の弱った子にとって、車での移動そのものが負担になることもあるためです。


私たちは医療行為は行いません。診断・治療・お薬の判断は、すべてかかりつけの獣医師の領域です。お手伝いできるのは、日々のお世話(食事・排泄・体位変換・見守り)、通院の付き添い、そしてご家族の休息の時間づくりに限られます。


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料金は犬のサイズやケアの内容によって幅があります。すべてのサービスで無料カウンセリングを行っていますので、まずはお話を聞かせていただくところからで構いません。


24時間対応・要予約です。原則として当日のお申し込みはお受けしていませんが、緊急性が高いと判断した場合は、可能な限り対応いたします。


よくあるご質問

車椅子を使うと、自分で歩く力が落ちてしまいませんか

不安に感じられる方の多い点です。一方で、支えがあることで歩く距離や回数が保たれ、結果として動く時間が増えるという見方もあります。


その子の状態によって考え方が変わりますので、どの程度動かしてよいかは、かかりつけの獣医師にご相談いただくのが安心です。


まず購入すべきか、レンタルで試すべきか迷っています

サイズが合うかどうかは、実際に装着してみないとわかりにくい部分があります。試用や調整に対応している販売元もありますので、問い合わせの段階で確認しておくと選びやすくなります。


進行の可能性がある場合は、あとから部品を変更できるタイプを候補に入れる方法もあります。


車椅子の装着や散歩の付き添いだけをお願いすることはできますか

ご家庭ごとに必要なことが違いますので、しっぽではオーダーメイドでケアの内容を組み立てています。どこまで対応できるかは状態によって変わりますので、詳しくはお問い合わせください。


まずは無料カウンセリングで、今困っていることをお聞かせいただければと思います。


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