老犬に服を着せるか|体温調節と皮膚の様子
年を重ねた犬は、若いころと同じようには体温を保てなくなっていきます。
「寒そうだから着せた方がいいのだろうか」「でも蒸れて皮膚が悪くならないだろうか」と迷う声をよく耳にします。
服は便利な道具ですが、着せれば安心というものでもありません。
ここでは、服を着せるかどうかを判断するときに見ておきたいことと、着せる前後で気をつけたい皮膚の様子について、静かに整理していきます。
この記事でわかること
老犬が体温調節を苦手になっていく理由と、家で気づける変化
服を着せたい場面と、慎重に考えたい場面のちがい
服を着せる前・着せた後に見ておきたい皮膚のポイント
服よりも先に見直せる、室内の温度のつくり方
寝たきりや療養中の子の服選びで、見落とされがちなこと
老犬が体温調節を苦手になっていく理由
年齢とともに、体の中で熱をつくったり逃がしたりする力は少しずつ変わっていきます。筋肉の量が減ると、体の中で熱をつくる量も減っていきます。
また、寒さや暑さを感じてから自分で場所を移動する、という行動そのものが難しくなることもあります。「寒い場所から動けない」ことが、体温の低下につながる場合があります。
年齢による変化 | 家で見られることがある様子 |
筋肉量が減る | 体が冷えやすい、震えが増える |
皮膚が薄くなる・毛が減る | 背中やおなかが冷たく感じる |
自分で移動しづらくなる | 寒い床の上で寝たままになる |
のどの渇き・暑さを感じにくくなる | 暑い部屋でも動かない |
心臓や呼吸の働きの変化 | 少しの暑さでも呼吸が荒くなる |
こうした変化は、その子の体格や毛の量、持病によっても異なります。気になる様子が続くときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
急いでご連絡いただきたい様子
体温がうまく保てなくなっているとき、家庭での対応だけで様子を見るのは危険な場面があります。
体が冷たく、ぐったりして反応が弱い
震えが止まらない、意識がはっきりしない
暑い時間帯のあとに呼吸が荒く、よだれが多い
歯ぐきの色がふだんとちがう
これらが見られるときは、まず動物病院へご連絡ください。 服を着せる・脱がせるといった判断より先に、獣医師の指示を受けていただくことをおすすめします。
服を着せたい場面・慎重に考えたい場面
服は「一年中着せるもの」ではなく、「その場面に応じて使う道具」と考えると迷いが減ります。
服が助けになりやすい場面 | 慎重に考えたい場面 |
冬の朝晩、室温が下がる時間帯 | 気温や湿度が高い時期 |
毛を短く刈ったあと、毛が薄い子 | 皮膚に赤み・湿り・傷があるとき |
手術後や療養中で体力が落ちているとき | 服を嫌がって動きが止まってしまうとき |
冷たい床で長く横になるとき | 自分で脱げない状態で長時間ひとりになるとき |
寒さによるもの
寒い時期は、室内でも床に近いところが冷えます。横になっている時間が長い子は、体の下側から熱を奪われやすくなります。
このときは、服よりもまず寝床の下に敷くもの(マットや毛布)を見直す方が効果が出やすいことがあります。そのうえで、背中とおなかを覆えるものを軽く着せる、という順番も一つの方法です。
毛が薄い・刈ったあとのもの
トリミングで短くしたあとや、加齢で毛量が減ってきた子は、以前と同じ室温でも寒さを感じやすくなることがあります。
薄手のものを一枚、短い時間から試してみる。嫌がらないかを見ながら、少しずつ慣らしていく方法があります。
不安や痛みによるもの
震えているからといって、寒いとは限りません。痛み・不安・認知機能の変化でも、体が震えることがあります。
この場合、服を着せても震えは落ち着きません。室温が低くないのに震えが続くときは、その様子や時間帯を記録して、かかりつけの獣医師にお伝えいただくと判断の助けになります。
服を着せる前に見ておきたい皮膚の様子
服は皮膚を覆います。つまり、着せている間は皮膚が見えなくなるということでもあります。

服を着せる前に見ておきたい、こすれや濡れが起きやすい場所。
着せる前に、次のところをさっと見ておく習慣があると安心です。
わきの下、内股のつけ根(こすれやすい場所)
背骨に沿ったところ、腰骨のあたり(骨が出て当たりやすい場所)
首まわり、胸元(よだれや水で濡れやすい場所)
おなかの下側、しっぽのつけ根(排泄で汚れやすい場所)
赤み、かさつき、じくじくした湿り、脱毛、においの変化。こうした様子が見られるときは、服を着せる前に獣医師にご相談いただくのが安心です。
着せたあとに気づきにくい変化
服を着ている状態が続くと、下の表のような変化が見逃されやすくなります。
見逃されやすい変化 | 気づくためにできること |
服の中の蒸れ、湿り | 一日一度、脱がせて皮膚と服の内側を触る |
縫い目やゴムの当たり跡 | 脱がせたときに赤い線が残っていないか見る |
毛のからまり・毛玉 | わきの下と内股を指で分けて確認する |
やせてきたこと | 服のゆとりが以前と変わっていないか見る |
「一日一度は脱がせて、皮膚と服の内側の両方を触る」 という習慣を持っておくと、小さな異変に早く気づけます。
服よりも先に見直せる、室内の温度のつくり方
一般に、犬は人よりも暑さに弱く、寒さの感じ方は毛量や体格で差が大きいと言われています。ただ、「何度なら安心」と数字で決めきれるものではありません。 その子が落ち着いて眠れているか、寝る場所を自分で選んでいるか、という様子の方が手がかりになります。

寝床の位置と敷くものを見直し、暖かい場所を選べるようにした室内。
北九州市内は、海に近い地域と丘の上の住宅地が混じり、区によって風の当たり方も冬の冷え方もちがいます。門司区や若松区のように海風が入る場所、小倉南区や八幡西区のように坂の上にある住宅地では、同じ市内でも室内の冷え方が変わることがあります。
そのうえで、家の中でできる工夫をいくつか挙げます。
寝床を、窓ぎわや玄関の近くから少し離す
床に直接寝ないよう、下に敷くものを一枚足す
エアコンの風が体に直接当たらない位置に寝床を置く
暖かい場所と、そうでない場所の両方をつくる(自分で選べるようにする)
暖房器具は、自分で離れられない子のそばに置かない
「暖かい場所をつくる」よりも「選べるようにする」という考え方が、老犬には合いやすいです。 自分で移動できる子なら、いちばん心地よいところを選んでくれます。
移動が難しくなっている子は、寝返りの介助や寝床の位置を、飼い主さんの側で調整していく形になります。
だれも教えてくれない、寝たきり・療養中の子の服のこと
ここは、あまり語られないところです。
寝たきりに近い状態の子や、手術後で動きが制限されている子の場合、服の「着心地」の意味が変わってきます。体重が一点にかかり続けるため、縫い目やタグ、ゴムの厚みが、皮膚を傷める原因になることがあります。
脱ぎ着のときの体の負担
前足を袖に通す動作は、関節に痛みがある子にはつらい場合があります。
かぶるタイプより、背中や体側で開閉できるタイプの方が体をひねらせずに済むことがある
抱き上げて着せるより、横になったまま巻くように着せられる形の方が負担が少ない場合がある
着せるときに「持ち上げる回数」を一回でも減らせないか考えてみる
排泄と服の関係
おむつや排泄の介助をしている子の場合、服が汚れると皮膚も一緒に湿った状態が続きます。
丈の長い服は、おしりまわりが汚れやすい
汚れたらすぐ替えられるよう、同じものを複数用意しておく
「洗い替えがないから着せたまま」にならないようにする
服が「体を確認する機会」を減らしてしまうこと
もう一つ、見落とされがちなことがあります。服を着せていると、毎日体をなでて確認する時間が自然と減ってしまうことがあります。
しこり、傷、むくみ、やせ方。こうした変化は、服の下で進むと気づくのが遅れます。 着せる選択をするときは、同時に「毎日ここを触る」という時間も決めておくと安心です。
迷ったときに、ひとりで抱えなくていい
服を着せるかどうか、という一見小さな判断も、介護が続いている中では重く感じられるものです。「これで合っているのだろうか」と毎日考え続けることは、静かに体力を削っていきます。
私たち合同会社しっぽは、北九州市内全域(門司区・小倉北区・小倉南区・若松区・八幡東区・八幡西区・戸畑区)で、高齢犬・シニア犬・療養犬・ターミナルケアを専門とした訪問型のペットシッターとして活動しています。
施設にお預けする方法もありますが、ご自宅にうかがう形なら、住み慣れた場所のまま、移動の負担をかけずにケアを受けていただけます。 寝床の位置や室内の冷え方も、その家の環境を見ながら一緒に考えることができます。
すべてのサービスで、無料カウンセリングを必ず実施しています。「服のこと」だけでも、お話をうかがうところから始められます。
サービス | 内容 | 料金 |
高齢犬・シニア犬 訪問介護・介助 | 食事・排泄・歩行などの介助をご自宅で | 1時間 5,500円〜12,000円 |
療養犬・ターミナルケア 訪問介護 | 病気やケガ、手術後などの療養生活を自宅で支える | 1時間 6,500円〜15,000円 |
レスパイトケア | 介護するご家族が休むための時間をつくる | 1時間 6,000円〜15,000円 |
病院帯同サービス | 通院に付き添い、普段の様子や記録を獣医師に伝える | 1回 10,000円〜15,000円 |
エンゼルケア(お花代含む) | お別れのあとのお世話 | 25,000円〜50,000円 |
グリーフケア(ペットロスサポート) | ご家族の気持ちのご相談。オンライン可 | 1時間 3,500円〜 |
料金は犬のサイズやご状況により幅があります。24時間対応・要予約で、原則として当日のお申し込みは承っていませんが、緊急性が高いと判断した場合は可能な限り対応しています。詳しくはお問い合わせください。
理念は「ひとりじゃないよ。頑張らなくていいよ。しっぽに声を届けて。」です。判断に迷う日が続いているなら、その迷いごと、私たちに預けていただいてかまいません。
よくあるご質問
寝ているあいだも服を着せたままでよいのでしょうか
自分で脱げない状態の子が長時間ひとりになる場合は、ずれて体に食い込んだり、蒸れたりする可能性があります。見守れる時間帯に着せる、という使い方も一つの方法です。その子の皮膚の状態によって判断が変わりますので、気になるときはかかりつけの獣医師にご相談ください。
服を着せると皮膚が悪くなると聞いて不安です
服そのものが原因になるというより、蒸れたままの状態や、こすれが続くことが皮膚の負担になることがあります。一日一度は脱がせて、皮膚と服の内側の両方を触って確かめる習慣を持っておくと安心です。赤みやにおいの変化が見られたときは、獣医師にご相談ください。
訪問のときに、服や寝床のことも相談できますか
はい、ご自宅にうかがう形ですので、実際の寝床の位置や室内の冷え方を見ながらお話しできます。無料カウンセリングの段階でお伝えいただいてかまいません。ご家族のご希望に合わせたオーダーメイドのケアを一緒に組み立てていきます。
あわせて読みたい
ひとりで抱えなくて大丈夫です
「まだ相談するほどのことじゃないかもしれない」
「こんなことで連絡していいのかな」
そう思って、連絡をためらう方は少なくありません。
でも、こんな段階でのご相談も承っています。
夜中に何度も起きてしまい、自分の睡眠が足りていない
通院の付き添いが、体力的につらくなってきた
このまま自宅で看てあげられるのか、自信がない
何を相談すればいいのかも、まだ分からない
合同会社しっぽは、北九州市内でシニア犬・老犬・療養中のわんちゃんの訪問ケアを行っています。
ご自宅にうかがうかたちなので、住み慣れた場所のまま、移動の負担をかけずにお世話ができます。
いきなりご契約ではありません
ご依頼の前に、まず無料のカウンセリングを行います。
いまの様子とご家族のご希望をうかがったうえで、その子に合ったケアをご提案します。
「話を聞いてみるだけ」で構いません。
ご相談いただけること | 内容 |
訪問介護・介助 | 食事・排泄・歩行などの介助を、ご自宅で |
訪問ホスピス・ターミナルケア | 療養中・看取り期の穏やかな時間を支えます |
レスパイトケア | 介護するご家族が休むための時間をつくります |
病院帯同 | 通院に付き添い、普段の様子を獣医師にお伝えします |
エンゼルケア/グリーフケア | お別れのあとのお世話と、ご家族のお気持ちのご相談 |
ご相談・ご予約
📞 093-982-0919(ご予約受付 8:00〜21:00)
💬 [LINEで相談する](https://line.me/R/ti/p/%40055sflba)
※「夜鳴きがひどくて…」の一言からで大丈夫です
✉️ [お問い合わせフォームはこちら](https://www.shippo21.com/)
※外出が多いため、メールでのお問い合わせをおすすめしております
対応エリア:北九州市内全域(門司区・小倉北区・小倉南区・若松区・八幡東区・八幡西区・戸畑区)
24時間対応・要予約 ※原則として当日のお申し込みは承っておりませんが、緊急性が高いと判断した場合は可能な限り対応しております
動物取扱業登録済(第16014号)/愛玩動物救命士・愛玩動物看護師・愛玩動物介護士が対応します
ひとりじゃないよ。頑張らなくていいよ。
まずは、しっぽに声を届けてください。





コメント