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老犬の冬の寒さ対策|体温を保つ寝床と暖房の使い方

8 時間前
読了時間: 13分

朝、愛犬がなかなか起きてこない。丸まったまま、じっと動かない。冬になると、そんな様子が気になりはじめる方は少なくありません。若いころは平気だった寒さが、年齢とともに体にこたえるようになっていきます。ここでは、老犬の冬をすこしでも穏やかに過ごしていただくために、今日から試せる工夫をまとめました。


この記事でわかること

  • 老犬が寒さに弱くなる、体のしくみ上の理由

  • 「寒がっているサイン」と、それ以外の原因が隠れている場合の見分け方

  • 体温を保ちやすい寝床のつくり方(床からの冷気対策を含む)

  • 暖房器具ごとの特徴と、低温やけどを防ぐ使い方

  • 北九州の住まいで冷えやすい場所と、冬の散歩・お留守番の工夫


老犬が寒さに弱くなるのは、なぜか

同じ犬でも、シニア期に入ると寒さの感じ方が変わってきます。これは気持ちの問題ではなく、体の変化によるものです。


主な理由として、次のようなことが挙げられます。


  • 筋肉量が落ちる:筋肉は熱をつくる場所です。落ちるほど、自力で体を温めにくくなります

  • 皮下脂肪や被毛が薄くなる:断熱の役割をしていたものが減っていきます

  • 体温調節の反応が鈍くなる:「寒い」と感じてから体が反応するまでに時間がかかることがあります

  • 自分で移動しにくい:暖かい場所へ歩いていく、日向に移る、という行動そのものが難しくなります


とくに見落とされやすいのが、最後の一つです。若い犬は「寒ければ自分で暖かい場所へ移動する」ことで体温を守っていますが、足腰が弱った老犬はその手段を失っています。寒い場所にいるのは、そこが好きだからとは限りません。


寝たきりに近い状態の子や、目や耳が不自由になってきた子では、この点がより強く影響します。飼い主さんが「暖かい場所を用意して、そこへ連れていく」ことが、そのまま防寒になります。


寒がっているサイン、そうでないサイン

冬に見られる変化には、寒さによるものと、そうでないものが混ざっています。まずは、寒さのサインとしてよく知られているものを挙げます。


  • 体を丸めて、あまり伸びをしない

  • 小刻みに震える

  • 部屋の隅や暖房の前から動かない

  • 水を飲む量が減る

  • 立ち上がるまでに時間がかかる


ただし、これらは寒さ以外の原因でも起こります。以下は、原因ごとの見え方の違いです。


寒さによる震え

体を丸め、暖かい場所に移すと、しばらくして震えがおさまることが多いとされています。室温を上げると寝つきが良くなる場合も、寒さが関係していることがあります。


痛みによる震え

関節や腰に痛みがある場合、暖めても震えが続くことがあります。触ろうとすると避ける、特定の姿勢を嫌がる、といった様子が重なるときは注意が必要です。冬は寒さで筋肉がこわばり、関節の不調が出やすくなる季節でもあります。


不安・認知機能の変化によるもの

夕方から夜にかけて落ち着かなくなる、うろうろする、鳴くといった様子は、寒さより不安が背景にあることもあります。暖かくしても変化がないときは、こちらを疑う視点も持っておくと良いかもしれません。


体調そのものの変化によるもの

震えのほかに、食欲が落ちた、呼吸が速い、ぐったりしている、といった様子が重なる場合は、寒さの範囲を超えている可能性があります。判断に迷ったときは、様子を見続けるより、かかりつけの獣医師にご相談ください。


冬は「寒いから」で片づけてしまいやすい季節です。いつもの冬と違う、と感じたその違和感を、記録に残しておくことをおすすめします。


体温を保つ寝床のつくり方

寒さ対策というと暖房を思い浮かべますが、老犬にとって効果が出やすいのは寝床そのものの見直しです。一日の多くを寝床で過ごすからです。


冷気は床の上にたまる

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ動きます。人が立って「暖かい」と感じている部屋でも、床から10〜20cmの高さは、体感がかなり違うことがあります。


床に直接ベッドを置いている場合、その差をそのまま受けることになります。寝床は「床から少し持ち上げる」だけで、体感が変わることがあります。


三層で考える

寝床は、下から順に次のように重ねると組み立てやすくなります。


役割

使うもの(例)

一番下

床の冷たさを遮断する

断熱マット、厚手のコルクマット、たたんだ毛布

中間

体を支え、床ずれを防ぐ

厚みのあるクッション、低反発マット

直接触れる、汚れたら洗う

タオル、洗い替えのシーツ、ペットシーツ


一番下の断熱が抜けていると、上にどれだけ重ねても冷えが伝わってきます。順番を意識するだけで、同じ枚数でも暖かさが変わります。


「囲い」をつくる

四方が開いた場所より、三方を囲まれた場所のほうが体温が逃げにくくなります。段ボールや衝立、クッションで軽く囲うだけでも違います。


ただし、寝返りが打てなくなるほど狭くしないことと、飼い主さんから様子が見えることは大切にしてください。


逃げ場を残す

見落とされやすいのがこの点です。寝床の全面を暖めるのではなく、半分だけ暖める。そうすることで、暑くなったときに犬が自分で涼しい側へ移動できます。


自力で動ける子には、この「温度差」が安全装置になります。動けない子の場合は、飼い主さんが定期的に体位を変えることが、その代わりになります。


暖房器具の使い方と、低温やけどを防ぐ

暖房器具にはそれぞれ得意・不得意があります。老犬に使う場合の注意点も含めて整理します。


器具

特徴

老犬に使うときの注意

エアコン

部屋全体が暖まる。空気が乾きやすい

温風が直接当たらない位置に寝床を置く

ペット用ヒーターマット

局所的に暖かい。消費電力が小さい

直に触れさせず、タオルを一枚挟む。逃げ場を残す

オイルヒーター

風が出ず、乾燥しにくい

表面が熱くなる。寄りかかれない距離を保つ

湯たんぽ

電気を使わない。時間とともに冷める

カバーをかけ、体に密着させない

こたつ・電気毛布

密着するぶん暖かい

熱がこもりやすい。老犬には温度管理が難しい面がある


低温やけどは、老犬でこそ気をつけたい

体温より少し高い程度の温度でも、長時間触れ続けると皮膚がダメージを受けることがあります。これが低温やけどです。


自分で動ける犬は「熱い」と感じた時点で離れますが、動けない老犬は離れられません。さらに、皮膚感覚が鈍くなっていると、熱さに気づくのが遅れることもあります。


  • ヒーターの上に直接寝かせない(タオルなどを挟む)

  • 同じ面がずっと接し続けないよう、定期的に姿勢を変える

  • 使ったあと、お腹・脇・内股などの皮膚に赤みがないか見る

  • 湯たんぽは体から数センチ離し、放射熱で温める


乾燥と、水を飲む量

暖房を使う季節は、空気が乾きます。老犬はもともと水を飲む量が減りやすく、乾燥が重なると体の水分が不足しがちです。


  • 加湿器を使う、濡れたタオルを室内に干す

  • 水飲み場を、寝床のすぐそばにも置く

  • ぬるめの水にする、ごはんに水分を足す


水の器を「寝床から歩いていける距離」に移すだけで、飲む量が変わることがあります。移動が負担になっている子には、この一手間が効くことがあります。


あまり知られていない、朝方の冷え込み

一日で最も気温が下がるのは、多くの場合、夜明け前です。夜寝る前に「ちょうどいい」と感じた室温でも、明け方には数度下がっていることがあります。


寝る前と起きたときで、同じ場所の温度を測ってみてください。差が大きいようなら、タイマーで明け方に暖房が入るように設定する、寝床に断熱を一枚足す、といった対策が考えられます。老犬の朝の様子が重いとき、その原因が「明け方の冷え」であることは、意外と見過ごされています。


北九州の住まいで、冷えやすい場所

北九州市は、雪が積もる日は多くありませんが、朝晩の冷え込みと風の冷たさが特徴です。関門海峡や洞海湾に近い門司区・若松区・戸畑区では、海からの風が体感温度を下げます。


住まいの面では、次のような場所が冷えやすいポイントになります。


  • 玄関の土間まわり:外気に近く、床が冷たい。ここに寝床がある場合は見直しの余地があります

  • 廊下・脱衣所:暖房のない場所。夜のトイレやシャンプーのときに、急な温度差が生じます

  • 窓ぎわ:日中は日が入って暖かくても、夜は冷気が下りてきます

  • 築年数のある戸建ての一階:床下からの冷えが伝わりやすいことがあります


小倉南区や八幡東区、門司区のように坂の多い地域では、玄関を出てすぐに坂という住まいも珍しくありません。冬の坂道は、路面の冷たさと風が重なり、老犬の足腰にはこたえます。


散歩は、時間帯を日中の暖かい時間に寄せる、コースを平坦な方向へ変える、洋服で胴まわりを保温する、といった調整が考えられます。滑りやすい路面では、無理をしないことも一つの選択です。


外に出ない日は、室内で体をさすったり、短い距離を歩かせたりするだけでも、体が固まるのを防ぐ助けになります。


お留守番の時間を、どう乗り切るか

冬の日中、家を空ける時間は心配が大きくなります。暖房をつけっぱなしにするか、切っていくか、迷う方も少なくありません。


考え方としては、次のような整理ができます。


状況

工夫の方向

自分で移動できる

暖かい場所と涼しい場所の両方を用意し、選べるようにする

ほとんど動けない

暖めすぎを避け、断熱を厚くする方向で調整する

長時間の留守

エアコンで室温を一定に保ち、局所暖房は最小限にする


留守中は温度の確認ができません。そのため、「暑すぎたときに逃げられるか」を基準に考えると、判断しやすくなります。


とはいえ、介護が必要な状態になると、留守番そのものが難しくなってきます。数時間おきの体位交換、排泄の介助、水分を口元へ運ぶこと──冬はそこに保温の管理が加わります。


手が足りないとき、家の中で受けられるケアがあります

冬の介護は、夏とは違う疲れ方をします。夜中に何度も様子を見に行く、明け方の冷え込みが気になって眠れない。そうして飼い主さん自身の体力が削られていきます。


頑張りが足りないのではありません。冬の老犬介護は、単純に手数が多いのです。


こうしたとき、預け先を探す方法のほかに、ご自宅に来てもらう方法があります。合同会社しっぽは、北九州市内全域(門司区・小倉北区・小倉南区・若松区・八幡東区・八幡西区・戸畑区)にうかがう訪問型のケア事業者です。


寒い季節に外へ連れ出すことは、老犬にとって負担になりがちです。住み慣れた寝床のまま、移動なしでケアを受けられることは、冬にはとくに意味を持ちます。


わたしたちは、「ひとりじゃないよ。頑張らなくていいよ。しっぽに声を届けて。」という思いで活動しています。ご家庭ごとに事情は違いますので、すべてのサービスで無料カウンセリングを行い、オーダーメイドでケアの形を決めています。


サービス

内容

料金

高齢犬・シニア犬 訪問介護・介助

食事・排泄・歩行などの介助をご自宅で

1時間 5,500円〜12,000円

療養犬・ターミナルケア 訪問介護

病気やケガ、手術後などの療養生活を自宅で支える

1時間 6,500円〜15,000円

レスパイトケア

介護する飼い主が休むための時間をつくる

1時間 6,000円〜15,000円

病院帯同サービス

通院に付き添い、普段の様子や記録を獣医師に伝える

1回 10,000円〜15,000円

エンゼルケア(お花代含む)

お別れのあとのお世話

25,000円〜50,000円

グリーフケア(オンライン可)

ご家族の気持ちのご相談

1時間 3,500円〜


料金は犬のサイズやケアの内容によって幅があります。冬場の通院は、寒い車内での待ち時間や乗り降りが負担になりやすいため、病院帯同サービスで普段の様子を獣医師にお伝えする、という使い方もあります。


また、レスパイトケアは、介護をされている飼い主さんが休むための時間をつくるサービスです。北九州市では扱う事業者が少ない分野ですが、共倒れを防ぐという意味で、しっぽが力を入れているものです。


24時間対応・要予約で承っています。原則として当日のお申し込みはお受けしていませんが、緊急性が高いと判断した場合は、可能な限り対応いたします。詳しくはお問い合わせください。


よくあるご質問

室温は何度にしておけばよいでしょうか

犬種、体格、被毛の状態、健康状態によって快適な温度は変わるため、一律の数字をお伝えすることは難しいところです。目安としては、犬が体を伸ばして眠れているか、逆に暑がって舌を出していないか、といった様子から調整していく方法があります。持病がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。


冬の散歩は、行かないほうがいいのでしょうか

行かないほうがよい、と一律には言えません。気温や路面の状態、その日の体調によって変わります。外に出ない日は、室内でのマッサージや短い移動、日向で過ごす時間などが、代わりの刺激になることがあります。


湯たんぽとヒーターマット、どちらが安心ですか

どちらにも長所と注意点があります。湯たんぽは電気を使わず時間とともに冷めますが、カバーをかけて体に密着させない使い方が前提になります。ヒーターマットは温度が安定する一方、動けない犬では低温やけどに気をつける必要があります。愛犬が自分で移動できるかどうかを基準に選ぶと、判断しやすくなります。


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